移行できるかな?

春、それは始まりの季節。

新学期、新生活、そして新社会人。

浮足立つような街角に、

特に何も始まらない無職が一人。

 

と、いつまでもいじけているわけにも

行かないので、この身分を脱出するため、

思い切って福祉サービスを利用することにした。

つい何年か前まで、欠陥だらけとは言え

五体満足の健常者だと思い込んできたわけなので

自分の中では結構な決断である。

 

利用しようと思うのは、身体から精神まで

さまざまな障害により、スムーズな就職に

困難を覚える人々に向け開かれている、

就労移行支援事業所という枠組み。

職業訓練やその他のサポートを受けながら、

2年以内に本人の状態に応じた就労を目指す。

利用に向けて、2度の面談を受けてきた。

次は5日間の体験利用で、問題が無ければ、

自治体へのサービスの利用申請を経て、

晴れて利用者となる。これをもって一応は、

ニート」の定義からは抜けられる。

 

私の場合、診断書は有るものの

発達障害を持つことで申請の権利がある

障害者手帳を取得する予定は無いため、

障害者雇用ではない一般就労による

社会復帰を目指すことになる。

障害者雇用であれば企業側には

法定雇用率を満たせるというメリットがあり、

大企業の間では(手帳を持つ)発達障害者の

取り合いになっているとも聞くが、

私の「障害」は環境要因が大きく、

普段の生活ではそこまで気を付ける必要も

無い(と思いたい)ため、

待遇面で差がつきにくい一般就労の方が、

可能性を広げるという意味では良いのかな、

という判断が働いている。

 

ただし、前職を辞めてしまった事実は

履歴書から消せないため、

そのまま面接に向かえば

「何で辞めた?」「うつ持ちか?」

と当然のように詰問を受ける。

これは精神的に大きな負担となるし、

雇用主側のリスクとなり得る事項を

ひた隠しにするつもりは毛頭ない。

発達・精神の障害に当たる部分は

ある程度までは明かし、

先方に一定の了解を得た上での

就職活動をしたいと思っている。

 

例えば、就労移行支援事業所の力を借りて、

求人を出した企業に

「こんな人いるけど応募していい?」と

尋ねていただく…という具合で。

 

同じ学校を出た人たちに比べて

給料も社会的評価(水物だが)も

低い所にしか行けなくなるのかもしれないが、

もう無理な背伸びをする必要はない。

そもそも現実的でない望みかもしれないが、

やってみようと思う。