必殺仕事人(失業中)

仕事でペンを握らなくなって

間もなく半年が経つ。

早い、早すぎる(埼玉銘菓風)。

 

何が早いって、

自分の衰えが。

 

 すっかり働く自信を失って、

今振り返ると

当時はどの面を下げて

取材及び執筆でお金をもらっていたのか。

もはや他人事のように思えてくる。

半年前までは毎日何人もの方と

初対面のご挨拶をし、話を聞いていた。

処理できずに山をなす名刺の束だけが

そんな日々のあったことを証明している。

 

今や外界とのつながりはほんの僅か。

その僅かなつながり、

馴染みの飲食店で軽い相談を受けた。

メニューに書く商品のキャッチコピーについて。

既にオーナーさんの書いた素案は有ったが、

修正したいという。

 

心の中で

埃にまみれていたスイッチが入った。

 

文の順序を入れ替え、重複や誇張表現を削る。

素案の良さを残しつつ、

すっきりと読める文章に書き換えた。

全体的に短くなった分は

写真などのデザインに割ける。

 

考える時間は全く要らなかった。

 

人様の作品を容赦なくぶった切る。

「必殺仕事人」みたいで

我ながらクールであるが、

冷静に考えれば、

自分の性格からすると困難なはずだ。

(怒られたくないし)

自信と誇りをもって取り組める、

数少ない「仕事」なのかもしれない。

 

 

この技能を生かせる就職口、無いでしょうか?