鳥を観る
昔から「趣味は?」と尋ねられるのが苦手だった。
一つのことに集中するということができぬ飽き性で、
サッカーにせよアイドルにせよ、
熱中できるものがある人をうらやんできた。
別に好きなことが無いツマラン人というわけではない。
好きなことはあっても、
公開できるほどの健全性を持ち合わせていなかったりする。
本件については別稿で開陳するとして。
それでも対外的に趣味を説明せねばならない局面には、
最近だと「野鳥観察」と答えることにしている。
バードウオッチングだなんて高尚な横文字は使えない。
あくまでも漢字四字熟語である。
時折適当な公園や野山に出かけては、
ウロウロしながら鳥の声に耳を澄ませ、
写真を撮ったり逃げられたりして楽しむ。
小学生の頃、友人の影響で鳥を好きになり、
彼が飽きてしまった後も引きずっている。
声を聴き分けれらるわけでも、
珍種を見分けられるわけでもないが、
注意を払いながら野山を歩く時間は好きだ。
アウトドアだけれどオタクっぽい、
健全だけれどイケイケではない、
程よいさじ加減ではないかと思っている。
ここには3羽の鳥がいる。