何を読んどきゃ許される

週7で行ってもまだ飽きぬほど本屋は好きだが、

最近は棚の前で立ち尽くすことも多い。

そもそも読書に身が入らず困惑している。

 

自分の心赴くまま、好きな本を読めばいいじゃないか、

とも思うのだが、顔の見えぬ誰かのささやきが聞こえる。

いや、ささやきではなく、面接官の質問である。

 

「仕事していない間、何をしてきましたか?」

「へぇ~、読書というと、何を読みましたか?」

「読書から何を得ましたか?」

 

昨日は丸善の店内でそんな問いかけが脳内から離れず、

文庫コーナーで何かその答えになり得る良書はと

考えた末「ビジネスパーソン司馬遼太郎じゃないか」と

安直な結論に達し『坂の上の雲』を探すも1~3巻が在庫切れ。

やけくそでkindleにサンプルをダウンロードしたところで、

家に『竜馬がゆく』の1巻はあることを思い出し、

とりあえずそれを読んでから考えるか…という流れを辿った。

ちなみに司馬作品だと『この国のかたち』なら読んだ。

…2巻までは。

 

文体の硬軟に関わらず、物語の世界に没入するのが

とても下手なので、長編は途中で飽きてしまうのだ。

あとは、いいところでトイレに行きたくなったりする。

集中力にムラがあるとでもいうのか。

 

そもそも「就職のために」など読書の動機としては

不純であり、そんなものは読書感想文の宿題のために

無理やり本を選ぶがごとし。その葛藤を乗り越える力を

養うのが学校教育であり、そこを乗り越えてきた人が

いい仕事に就けるし無理やりな読書もできるって?

あぁ聞こえない、聞こえない。

 

そんなわけで、何を読みたいのか自分でもさっぱり

分からなくなってしまった今日この頃。

再び純粋に読書が楽しくなる日は来るのかどうか。

案外『竜馬がゆく』にはまったりしないかなぁ…と、

やんわりと期待しつつ。