好きで嫌いで

都会から帰ってきて、くたびれている。

皇居の周りなんか走るからだ、というよりは、

新宿の雑踏にやられた感がある。

田舎者の悲しい現実と言うべきか。

 

私は人混みが好きである。

元より人間観察の好きな私は、

一度にたくさんの人の動きや表情、服装などを

ぼんやりと見ることができる都会が好きだ。

特に東京辺りは、東北ではお目にかかれない

興味深い人や言動を見かけることも多いので

いちいち目が離せない。楽しいのだ。

 

そうやって観察しながら雑踏を歩くから、

視神経を中心にどっと疲れが襲うのである。

 

私は人混みが嫌いだ。

週末の繁華街やデパ地下、それこそ新宿駅や東京駅などは

本当だったら避けた方がいい。ついつい観察してしまう癖の

他にも、音響や匂いなどに過敏傾向なので、

知らず知らずのうちに身体の色々な部分を消耗してしまう。

自分のペースで歩けない状況というのも辛い。

 

好きで嫌いで困ったものだが、雑踏に紛れていると

安心感を覚えるのも不思議なところで、今日もまた、

仙台市中心部のささやかな雑踏に身を任せ、

ふらふらするのだろう。